向       付
鉄絵木葉向付

上野 江戸時代 17世紀前半
高5.7cm 径17.2cm

稀にではありますが、福岡県の上野焼も鉄絵を行っていました。その技法は唐津焼に比べてずっと素朴であり、単調な線を引くと言った趣の作品が多いようです。この木の葉形の向付もまさにその特徴がよく示され、素朴ながらも力強さを感じさせる絵付です。おそらく江戸初頭の上野焼の作でしょう。とすれば寛永年間(1624−1644年)の時期に製作時期を求めるのが自然です。窯ノ口窯の作でしょう。


片身替釉向付

高取 桃山時代−江戸時代17世紀前半
高4.4p 径18.2p

典型的な高取焼内ヶ磯窯の向付であります。型を使って叩き上げたいわゆるたたら作りの向付で、山形をなすこの種の類品も見られますが中でもこの作品は最も優れた出来栄えといえましょう。特に褐釉と白釉の鮮明な色の対比は際立っており、桃山らしい片身替の意匠の効果がよく示された実例といえます。粘土は鉄分を多く含んで褐色を示し内ヶ磯窯の作であることを裏付けています。

鉄絵絵替向付

乾山 江戸時代 18世紀
高9.0cm 径6.9cm

尾形乾山は、持ち前の学問への興味と兄光琳の絵画を焼き物の中にうまく融合させることに成功しました。必ず光琳風の大和絵を楚々として描いた後に詩画軸の伝統に従って漢文の文章を添えています。そして乾山の印章、落款を押すわけであります。図は文人が好む菊、梅、竹など潔い清らかな植物が選ばれ乾山自ら賛を付けて最後に手書きでスタンプを押したように見せる印章を表しています。


鑑賞用陶磁◆中国
鑑賞用陶磁◆朝鮮
鑑賞用陶磁◆日本
茶       入
茶       碗
水       指
花       入
香       合
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