花       入
染付面取花入

広州窯 李氏朝鮮時代 18世紀
高22.6cm 胴径9.6cm

李氏朝鮮時代、王朝の官窯がソウル市の東郊広州郡に築かれました。特に18世紀になると分院という場所で面白い染付・釉裏紅・鉄砂そして白磁の焼き物が焼かれました。その一例がこの染付の面取りの花入です。技が衰えたために粗雑ですが、その粗雑さがかえって面白さを生み、独自の瀟洒な存在感を作り上げました。


南蛮耳付花入

南蛮 室町時代 15世紀
高25.0cm 径15.5cm

南蛮焼は、南方アジア方面から渡来した製品の総称です。自然釉のかすかな光をともなって紫褐色に焼き締まった土膚は、昏いあやしさを感じさせる美を秘めています。均整のとれた形態は新鮮で、上野・高取焼等にも器形の似た写しが焼かれています。


白磁双耳花入

景徳鎮窯 元時代 14世紀
高:23.0cm 胴径:12.7p

花入、香炉といった趣味の器はあまり景徳鎮窯では作られていません。しかし元時代になると若干遺品が残っています。
辣韮(らっきょう)形徳利というべきボディーに蕨手の耳を付け、そこに丸い環を貼り付けてたものこれが不遊環であります。全体に青みのかかる青磁釉がかけられているのは、景徳鎮窯のいわゆる青白磁の系譜を引く釉薬であるからです。


砧形花入

信楽 江戸時代前期 17世紀前半
高22.4cm

伊賀焼が豪放自在な創意を展開したのに対して、信楽焼は工芸的な端正さを主張しています。この花入も作為を僅かながら示しつつも正格の砧形を外していません。長石粒が大小一面にあらわれた信楽焼独特の風情を下地にして素地を赤胴色に焦がし、自然釉はしずかに正面に降りかかっています。そのおとなしい中の奥床しさが江戸時代に入って端正な道具を求める方向へ茶人の美意識が変わっても多くの茶人からなお続けて支持をうけることができたのであります。この作品もそうした江戸初期の作と推測されます。

鑑賞用陶磁◆中国
鑑賞用陶磁◆朝鮮
鑑賞用陶磁◆日本
茶       入
茶       碗
水       指
香       合
向       付
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