鑑賞用陶磁◆中国
灰陶加彩獣面文鬲

夏家店下層文化 紀元前2100−1600年
高27.0cm 口径17.5cm 胴径11.0cm

鬲とは、三本の袋足を持つ炊器のことです。器肌には獣面文、巻雲文が朱色、白色の絵具で描かれていますが、これは権力や富、あるいは宇宙の生命力を象徴的に表したものだといわれています。。あまりの鮮やかさに、この彩画土器は実用器ではなかったと思われます。


加彩婦人俑

唐時代 8世紀中葉
高69.5cm

楊貴妃とのラブロマンスで有名な玄宗皇帝(在位712−755年)の後半生をしめくくる天宝年間(742−755年)と一致しており、奈良文化のモデルはおおむね天宝文化でありました。奈良平安の女性像のお手本ともなったこの時期の理想の女性像は、豊麗さにあったから、ふくよかさが謳われました。この婦人俑はその天宝様式の典型作であり、ゆったりとした衣をまとった豊満な体躯の女性像こそ夢のように美しい姿の女性とあがめられていました。髪を大きく結ったそのヘアースタイルもたいそう好まれたファッションでありました。これまで類品にはかなり接してきましたが、この作は最大の大きさを誇り、堂々たる存在感を訴えていて、この一作に接しただけでも香しい天宝文化の粋を掬いとることができます。


青花花鳥文大皿

景徳鎮民窯 明時代末期(17世紀前半)
高7.4cm 径49.0cm

景徳鎮窯は万暦年間(1573〜1619)になると、新しく万暦様式とよぶ作風を作りあげました。大鉢の中央に丸く窓を設け、周囲を蓮弁文様でつつむ構図が大輪の花に似ているところから、日本では芙蓉手とよびます。
この大鉢はその典型作でありました。この作品は、芙蓉手のなかの芙蓉手といってよいほどの秀作で、おそらく1620〜30年代の作と考えられます。細かく鋭い線描きで、びっしりと図様を描き、明るく青く映る染付で塗りつめています。この力あふれる染付大鉢が、西欧に輸出されて大好評を博したのです。


五彩宝相華唐草文瓢瓶

景徳鎮官窯 明時代 16世紀中葉
高44.0cm 胴径23.7cm

いかにも中国の吉祥趣味をよくあらわす瓢の大瓶であり、俗に雑彩とよばれる官窯五彩磁のなかでは、大作に属し、代表作の一つにあげることができる名作です。雑彩には、各種の作風がありますが、この作品は、赤絵具で主文様を描き、余白を緑彩で塗りつめる緑地紅彩に属しています。赤はいかにも濃艶であり、深い緑彩がぐっと落ち着きのある地色をなし、二色の織りなすハーモニーは深遠です。嘉靖(1522−1566年)官窯には、民窯の委託焼造が活発化し、結果としてこのようにいかにも生き生きとした庶民のエネルギーが投影されています。高台内には「大明嘉靖年製」と染付でしるされています。白磁釉が染付用の透明釉であるのと相違しており、二種の白磁釉を使いわけているところが官窯の見所でもあります。


鑑賞用陶磁◆朝鮮
鑑賞用陶磁◆日本
茶       入
茶       碗
水       指
花       入
香       合
向       付
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